平成29年短答式試験「不動産の鑑定評価に関する理論」の過去問集



平成29年短答式試験「不動産の鑑定評価に関する理論」の過去問集

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平成30年短答式試験 「不動産の鑑定評価に関する理論」の過去問集 平成30年短答式試験「不動産の鑑定評価に関する理論」の過去問集

問題 1

〔問題1〕不動産とその価格に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 不動産に経済価値が認められるためには、その不動産に有用性があり、そしてその不動産を入手するためには対価を支払う必要があり、さらにその不動産を購入できる買い手が存在しなければならない。

 

ロ 不動産の価格と不動産に影響を及ぼす自然的、社会的、経済的及び行政的な要因との関係における二面性とは、これらの要因の価格への作用が、不動産が構成する地域ごとにそれぞれ異なるとともに、同種の地域に対しては同質的な影響を与えるという性質を意味する。

 

ハ 土地は、それ自体では固定的で硬直的であるものの、われわれが土地を生活の中で利用するに際しては、可変的で伸縮的であるという性格を有する。

 

ニ 不動産の地域性とは、不動産は他の不動産とともにある地域を構成して、これに属するものであるということを意味する。

 

ホ 不動産の地域性によれば、不動産の構成する地域は、特定の自然的条件及び人文的条件を共通とすることにより他の地域と区別されるべき特性を有するものであるが、これは鑑定評価上の用途的地域とは異なる概念である。

 

(1)  イとロ
(2)  イとニ
(3)  ロとホ
(4)  ハとニ
(5)  ハとホ

問題 2

〔問題2〕不動産の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 土地の相続や有効利用等に関する相談業務で、不動産の経済価値を貨幣額に表示しないものは、不動産の鑑定評価に該当しない。

 

ロ 現実の不動産取引には個別的な事情が多く存在し、取引価格から不動産の適正価格を求めることが困難であるが、不動産鑑定士は個別的な事情を含むすべての取引価格を適正な価格に補正することができる。

 

ハ 不動産の鑑定評価に必要な資料の収集は、価格形成要因の分析や鑑定評価手法の適用以前に行い、これらの作業と同時に行うべきではない。

 

ニ 不動産の価格に関する諸原則は、対象不動産の種別及び類型に関わらず指針とすべき法則性を示したものである。

 

ホ 不動産の鑑定評価の結果は、必要な関連諸資料の収集整理の状態やこれら諸資料の分析解釈の仕方により異なる可能性がある。

 

(1)  イとロ
(2)  イとホ
(3)  ロとハ
(4)  ハとニ
(5)  ニとホ

問題 3

〔問題3〕不動産鑑定士の責務に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 高度な知識と豊富な経験と迅速な判断力とが有機的に統一されて、初めて的確な鑑定評価が可能となるのであるから、不断の勉強と研鑽とによってこれを体得し、鑑定評価の進歩改善に努力すること。

 

ロ 依頼者に対して鑑定評価の結果を分かり易く誠実に説明を行い得るようにするとともに、社会一般に対して、実践活動をもって、不動産の鑑定評価及びその制度に関する理解を深めることにより、不動産の鑑定評価に対する信頼を高めるように努めること。

 

ハ 不動産の鑑定評価に当たっては、自己又は関係人の利害に関わる場合を除き、公平妥当な態度を保持すること。

 

ニ 不動産の鑑定評価に当たっては、専門職業家としての注意を払わなければならないこと。

 

ホ 自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価を引き受け、又は縁故若しくは特別の利害関係を有する場合等、公平な鑑定評価を害する恐れのあるときは、原則として不動産の鑑定評価を引き受けてはならないこと。

 

(1)  イとロ
(2)  イとハとホ
(3)  ロとニとホ
(4)  イとロとニとホ
(5)  すべて正しい

問題 4

〔問題4〕不動産の種別に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1)  郊外路線商業地域に所在する2階建ての木造賃貸アパートの敷地に供されている土地は、商業地として分類される。

 

(2)  対象地周辺の土地が、現実にマンションや店舗(スーパー、ドラッグストア等)の敷地利用に供されており、また、そのように利用されることが合理的と判断されるが、都市計画上は準工業地域に該当するときは、対象地の種別は工業地として分類される。

 

(3)  都市の通勤圏外に位置し、市街地的形態を形成するに至らない住宅地域に所在する畑は、住宅地として分類される。

 

(4)  普通商業地域として分類される地域は、地方中小都市の中心商業地域及びこれに準ずる規模の商業地域で、日々又は月々の購買頻度の傾向を持つ日用品、最寄品等を取り扱う店舗等が連たんしている地域である。

 

(5)  地域の種別は、その規模、構成の内容、機能等に応じた細分化が考えられるが、住宅地域には、戸建住宅を中心とした地域だけではなく、マンション等の中高層の共同住宅を中心とする地域もある。

問題 5

〔問題5〕Bは、土地の所有者であるAとの間で事業用定期借地契約を締結の上、商業施設を建設し、当該施設をCへ賃貸していた。その後、売買によりBはAから当該土地の所有権を取得した。なお、売買時点における事業用定期借地契約の残存期間は17年であった。この設例について、不動産の類型に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

 

(1) 「自用の建物及びその敷地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における建物及びその敷地の類型である。

 

(2) 「貸家及びその敷地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における建物及びその敷地の類型である。

 

(3) 「建付地」は、売買時点後の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。

 

(4) 「借地権」は、売買時点前の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。

 

(5) 「底地」は、売買時点前の現実の利用状態を前提とした場合における宅地の類型である。

問題 6

〔問題6〕不動産の類型に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。なお、いずれの対象不動産も対象確定条件は現実の利用状況を所与とするものである。

 

イ 対象不動産は、賃貸借に供されているオフィスビルの所有権であるが、築後50年が経過している等の理由により、マンションへの建替えが最有効使用と判断された。この場合においては、不動産の類型を建付地として鑑定評価を行うべきである。

 

ロ 対象不動産は、賃借人によって平置きの時間貸し駐車場として運営されている土地の所有権であるが、その最有効使用は店舗ビルの敷地と判断された。この場合においては、不動産の類型を底地として鑑定評価を行うべきである。

 

ハ 対象不動産は、ショッピングセンターを建築中の土地の所有権であるが、竣工後には賃貸借に供される予定である。また、同ショッピングセンターについては、既にメインテナントが決定しており建物賃貸借予約契約が締結されている。この場合においては、不動産の類型を貸家及びその敷地として鑑定評価を行うべきである。

 

ニ 対象不動産は、大手ホテルチェーンが所有し直接運営するホテル(客室総数200室)の所有権であるが、価格時点において170室が宿泊稼働している。この場合においては、不動産の類型を貸家及びその敷地として鑑定評価を行うべきである。

 

ホ 対象不動産は、都市郊外に所在する幹線道路沿いの土地の所有権であるが、その最有効使用は店舗の敷地と判断された。価格時点の1か月前に対象不動産について土地賃貸借契約が締結と同時に開始されており、賃借人はコンビニエンスストアを建設する予定である。この場合においては、不動産の類型を更地として鑑定評価を行うべきである。なお、価格時点において、当該土地上に建物等の定着物は存在しないものとする。

 

(1)  ロとニ
(2)  イとハとホ
(3)  ロとニとホ
(4)  イとハとニとホ
(5)  すべて誤っている

問題 7

〔問題7〕一般的要因に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1) 一般的要因とは、一般経済社会における不動産のあり方及びその価格の水準に影響を与える要因をいうが、その作用の仕方は必ずしも全国一律ではなく、地域や用途、規模等によって作用の仕方は異なってくる。

 

(2) 取引事例比較法の適用における時点修正率は、原則として地価公示等の推移を活用しつつ、必要に応じて収集した事例についての時系列的な分析や、一般的要因の動向を参考にして求める。

 

(3) 一般的要因に係る要因資料を一般資料というが、具体的には、人口動態統計、景気動向指数、消費者物価指数、建築着工統計などを指すものであり、平素から継続的に収集しておくべきものである。

 

(4) 個別分析における対象不動産の最有効使用の判定は、一般的要因の把握及び分析の結果の影響を受けるものである。

 

(5)  一般的要因の分析は、鑑定評価の手順としては必須であるが、必ずしも鑑定評価報告書に記載する必要はない。

問題 8

〔問題8〕建物に関する個別的要因に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 建物の各用途に共通する個別的要因として「建物の性能」があるが、鉄筋コンクリート造の堅固建物は現行の建築基準法に基づくいわゆる新耐震基準を満たしているといえる。

 

ロ 建物の各用途に共通する個別的要因である「設計、設備等の機能性」は、業務系の建物を中心として、各階の床面積、天井高、床荷重等の躯体に関わるもののほか、情報通信対応設備の状況、空調設備の状況、エレベーターの状況、電気容量、自家発電設備・警備用機器の有無等があり、建物利用における汎用性等にも影響を与える。

 

ハ 住宅において特に留意すべき個別的要因を例示すれば、天井高、床荷重、情報通信対応設備・空調設備・電気設備等の状況が挙げられる。

 

ニ 事務所ビルにおいて特に留意すべき個別的要因を例示すれば、売場面積、客動線、バリアフリー化の状況、施設立地・規模が挙げられる。

 

ホ 物流施設において、特に留意すべき個別的要因を例示すれば、階数、各階の床面積、天井高、柱間隔、床荷重、空調設備、エレベーターが挙げられる。

 

(1)  ロとハ
(2)  ロとホ
(3)  イとハとホ
(4)  イとニとホ
(5)  すべて正しい

問題 9

〔問題9〕建物に係る価格形成要因に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 建物の維持管理の状態の良否は、建物の再調達原価及び将来見込まれる修繕費用の多寡に影響を与えるものであり、対象不動産の価格形成に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 

ロ 建物の公法上及び私法上の規制、制約等について、新築時における遵法性の確認を行う必要はない。

 

ハ 住宅については、内装や設備等のリフォームによる機能回復・向上や、これらに関するインスペクション等による住宅の状態の精緻な把握、修繕履歴等の把握が、対象不動産の価格形成に影響を及ぼす可能性がある。

 

ニ 住宅性能表示のある住宅や長期優良住宅については、それらの有する建物性能等に加え、それらが受けられる住宅ローン優遇や税制上の優遇についても鑑定評価に当たり考慮する必要がある。

 

ホ 建物とその環境との適合の状態が悪い場合には、建物が新築であっても、建物の鑑定評価額が、その再調達原価を下回ることもあり得る。

 

(1)  イとロ
(2)  イとハ
(3)  イとホ
(4)  ロとハ
(5)  ハとニ

問題 10

〔問題10〕不動産の価格に関する諸原則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1)  画地規模が比較的大きい戸建住宅が建ち並ぶ住宅地域において、戸建住宅が取り壊された後に共同住宅が建設される事例が続いている。不動産の最有効使用の判定において活用される原則の1つは、変動の原則である。

 

(2)  中規模戸建住宅が建ち並ぶ団地の中に店舗付住宅がある。団地内の他の店舗は既に閉鎖しているが、その店は料理人が有名であることから盛況で、これからも営業を続ける予定である。最有効使用の原則を活用すれば、当該不動産の更地としての最有効使用は店舗付住宅とすべきである。

 

(3)  7階建て程度の比較的新しい店舗ビル及び事務所ビルが建ち並ぶ地域内に、3階建ての共同住宅及びその敷地として利用されている複合不動産がある。均衡の原則及び適合の原則を活用すれば、当該複合不動産は最有効使用の状態ではないと判断すべきである。

 

(4)  戸建住宅のほかアパートが散見される地域において、新駅が開設され、利便性が向上したため、賃貸住宅の需要が高まり、当該地域における賃料の相場は上昇傾向にある。また、当該地域内の空地にはアパートが新たに建設され始めている。アパートの総収益の把握に当たっては、競争の原則及び予測の原則に従い、収益増加の見通しについて予測の限界を見極めなければならない。

 

(5)  取引事例比較法の適用に当たっては、代替の原則に従い、多数の取引事例を収集し、価格の指標になり得る事例の選択を行うべきである。

問題 11

〔問題11〕対象確定条件に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 甲土地を所有する依頼者から、甲土地の隣接地である乙土地の鑑定評価の依頼を受けた場合には、必ず併合鑑定評価を行うことになる。

 

ロ 依頼目的によっては、対象確定条件を設定しない場合がある。

 

ハ 対象確定条件の設定に当たっては、いかなる場合であっても鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から当該条件設定の妥当性を確認すれば足りる。

 

ニ 借地権付建物(建物は貸家とする。)について、その状態を所与として借地権のみを対象として行う鑑定評価は、独立鑑定評価に該当する。

 

ホ 鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがある場合とは、鑑定評価の対象とする不動産の現実の利用状況と異なる対象確定条件を設定した場合に、現実の利用状況との相違が対象不動産の価格に与える影響の程度等について、鑑定評価書の利用者が自ら判断することが困難であると判断される場合をいう。

 

(1)  イとロとハ
(2)  ハとニとホ
(3)  イとロとハとニ
(4)  イとロとニとホ
(5)  すべて誤っている

問題 12

〔問題12〕鑑定評価の条件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  鑑定評価の条件は、依頼内容及び価格の種類に応じて設定するもので、同一不動産であっても設定された条件如何によっては鑑定評価額に差異が生ずるものであることから、不動産鑑定士は、直接、依頼内容及び価格の種類の確認を行うべきである。

 

(2)  対象確定条件を設定するに当たっては、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点から当該条件設定の妥当性を確認しなければならないが、併合鑑定評価を設定するに当たっては、実現性及び合法性の観点からの妥当性を有することまでは求められていない。

 

(3)  未竣工建物等鑑定評価は、当該建物等が竣工する将来時点において、工事が完了し、その使用収益が可能な状態であることを前提として鑑定評価を行うものであり、当該前提が実現性及び合法性を有する場合には、将来時点を価格時点とすることができる。

 

(4)  証券化対象不動産について、工事を検討している段階で「建物に関する有害物質除去工事が完了したものとして」という個別的要因についての想定上の条件を設定して行う鑑定評価は、通常の条件設定に係る要件に加え、工事の中止、工期の延期又は工事内容の変更が発生した場合に生じる損害が、当該不動産に係る売買契約上の約定や各種保険等により回避される場合に限り行うことができる。

 

(5)  調査範囲等条件を設定して「建物に関する有害な物質の使用の有無及びその状態」を価格形成要因から除外して鑑定評価を行う場合、対象不動産について現実の価格形成要因と異なる状態を前提とするため、有害物質除去工事についての実現性の確認をする必要がある。

問題 13

〔問題13〕価格時点に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 鑑定評価の依頼目的によっては価格時点を定められない場合がある。その場合は、鑑定評価報告書に価格時点を定められなかった理由を明記しなければならない。

 

ロ 土地と建物からなる複合不動産の鑑定評価においては、土地と建物それぞれについて価格時点を定めなければならず、これらが異なる時点になる場合もあり得る。

 

ハ 賃料の鑑定評価においては、求める賃料の算定の期間を定めた上で、当該賃料の支払期限を価格時点とする。

 

ニ 価格時点を過去時点として設定した場合においても、地域要因及び個別的要因についての想定上の条件を設定しなかった場合には、これらの要因は鑑定評価を行った日と同じであると判断すべきである。

 

ホ 価格時点を現在時点として設定した場合においても、継続賃料を求める鑑定評価の場合には、過去時点における対象不動産の価格を求める必要があり得る。

 

(1)  イとロとホ
(2)  イとハとニ
(3)  ロとハとホ
(4)  イとロとハとニ
(5)  すべて誤っている

問題 14

〔問題14〕価格又は賃料の種類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  会社法上の現物出資の目的となる不動産の鑑定評価は、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的であることから、求める価格の種類が特定価格となる場合もある。

 

(2)  民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合においては、いかなる場合も求める価格の種類は特定価格となる。

 

(3)  隣接地の併合を目的とする売買に関連して行う鑑定評価においては、いかなる場合も求める価格の種類は限定価格となる。

 

(4)  不動産の賃貸借等の継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料の種類を、限定賃料という。

 

(5)  現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場であることの条件の1つとして、取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような特別なものではないことが挙げられる。

問題 15

〔問題15〕地域分析に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 近隣地域の特性を把握する場合には、近隣地域の用途を純化すべきではない。

 

ロ 農家住宅地域については過疎化現象が著しく進んでいる地域もあり、同一需給圏の把握に当たっては、集落規模や公共施設の整備の状態等の地域の熟成度等に係る要因、都心との距離や交通施設の状況等の生活利便性等に係る要因を分析するほか、人口減少・高齢化の程度が価格水準に影響を与えることにも留意すべきである。

 

ハ 保養等の目的で利用する別荘の建設を目的に開発された住宅地域については、一般的には自然環境が良好な景勝地等にあり、周辺地域とは利用形態・価格水準は大きく異なることから、その同一需給圏は広域的に把握される傾向がある。

 

ニ 大工場地について、内陸部に立地する工場地域と、臨海部に立地する工場地域が存する場合、これらの価格が同一水準であれば、同一需給圏を両工場地域の存する範囲として把握しなければならない。

 

ホ 高度商業地の同一需給圏は、一般に広域的な商業背後地を基礎に成り立つ商業収益に関して代替性の及ぶ地域の範囲に一致する傾向がある。ただし、地縁的選好性により地域的範囲が狭められる傾向がある。

 

(1)  イとロ
(2)  イとホ
(3)  ロとハ
(4)  ハとニ
(5)  ニとホ

問題 16

〔問題16〕地域分析及び個別分析に関する次のイからホまでの記述のうち、誤ったものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 地域分析及び個別分析の分析結果は、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整等における各種の判断においても反映すべきである。

 

ロ 近隣地域の範囲の判定に当たり、地域の特性が類似していても、広幅員の街路を挟んで向かい合う地域が1つの近隣地域と判定されることはない。

 

ハ 同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域であるから、近隣地域と同一需給圏内に存する類似地域は、必ず近接する関係にある。

 

ニ 個別的要因の分析を行う場合において、対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するに当たっては、同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性、対象不動産の立地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好、対象不動産に係る引き合いの多寡に留意すべきである。

 

ホ 建物の老朽化により建物と敷地とが適応の状態にない場合には、建物の使用は可能であっても、建物を取り壊し更地化することによって対象不動産の競争力が向上する場合がある。

 

(1)  イとホ
(2)  ロとハ
(3)  ハとニ
(4)  ロとハとホ
(5)  ハとニとホ

問題 17

〔問題17〕個別分析に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  文化財である建物や公共公益施設等につき、正常価格を求める場合の最有効使用は、現況どおり文化財若しくは公共公益施設等となる。

 

(2)  建物及びその敷地の賃料の鑑定評価に当たって、現況の利用が最有効使用と異なる場合であっても、利用目的が賃貸借契約により定められていることから、鑑定評価額への影響はない。

 

(3)  築後間もない事業用不動産について、その立地条件等から集客力が乏しく事業継続や用途転換が困難な場合等には、建物を取り壊して更地化することが合理的であると判断される場合もある。

 

(4)  住宅地域内の更地である対象不動産について、接面街路の拡幅工事が行われる予定があり、工事完了後は、当該街路の歩行者数や車両交通量が大幅に増加するものと予測される。この場合において、その増加により対象不動産の最有効使用が店舗地になると考えられるときは、その増加が実現する時期の判断が困難であっても、最有効使用を店舗地と判定できる。

 

(5)  表通り沿いに形成された商業地域に所在する標準的な更地と、その背後に形成された住宅地域に所在する標準的な更地がある。この場合、商業地域に所在する標準的な更地の価格水準が、住宅地域に所在する標準的な更地の価格水準を下回ることはない。

問題 18

〔問題18〕原価法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  対象不動産が土地のみの場合でも、当該土地が最近において山林から造成された宅地で、当該山林の買収価格、実際の造成費の額及びこれらの明細が判明している場合には、これらの明細を分析して適切に補正し、かつ、必要に応じて時点修正を行って再調達原価を求めることができる。

 

(2)  対象不動産が15年前に建設された居宅で、当該建設費の明細は不明であるものの、その総額が判明している場合には、直接法を適用して再調達原価を求めることができる。

 

(3)  減価の要因のうち機能的要因の例としては、近隣地域の繁華性の衰退により、店舗ビルとして利用することが経済合理性を欠く場合が挙げられる。

 

(4)  建物が修繕若しくは増築されている場合には、当該修繕若しくは増築にかかったすべての費用を再調達原価に反映させる。

 

(5)  建物及びその敷地の評価においては、土地及び建物の再調達原価についてそれぞれ減価修正を行ったときは、さらにそれらを加算した額について減価修正を行うべきではない。

問題 19

〔問題19〕収益還元法の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  D C F 法による試算価格は、将来発生する純収益及び復帰価格の現在価値の総和であるが、直接還元法による試算価格は一期間の純収益を還元したものなので、現在価値の総和ではない。

 

(2)  対象不動産は、郊外路線商業地域に立地する賃貸店舗であり、典型的な投資家が一般的に想定する保有期間は概ね5 年である。ただし、対象不動産は事業用定期借地権( 残存期間4 年) を敷地権原とする借地権付建物であり、契約期間内に建物を取り壊して更地として借地権設定者に返還する契約になっている。この場合、D C F 法の適用において、残存借地期間を超える保有期間(分析期間)を設定することはできない。

 

(3)  D C F 法の適用においては将来の純収益の変動予測を行うが、直接還元法においては将来の純収益の変動予測は必要ではない。このため、証券化対象不動産に係る鑑定評価において直接還元法は、予測の限界から不確実になりがちなD C F 法に対する有力な検証手段として位置付けられている。

 

(4)  更地の収益価格を求める場合、一般的に事業用不動産は個別性が高く賃貸市場が成熟していないため、当該土地上に事業用不動産の建築を想定してはならない。

 

(5)  還元利回りを求める方法のうち割引率との関係から求める方法は、純収益が償却後の場合で、かつ、純収益が一定の趨勢を有すると想定される場合に有効である。

問題 20

〔問題20〕下記の説明文は、不動産鑑定評価基準総論第7章「鑑定評価の方式」のうち収益還元法に関する記述である。次のイからニまでの空欄に入る語句として、正しいものの組合せはどれか。

 

・対象不動産の イ は、永続的なものと非永続的なもの、償却前のものと償却後のもの等、 ロ の把握の仕方により異なるものであり、それぞれ収益価格を求める方法及び還元利回り又は割引率を求める方法とも密接な関連があることに留意する必要がある。

 

・特にD C F 法の適用に当たっては、毎期の イ 及び ハ 並びにその ニ が明示されることから、 イ の見通しについて十分な調査を行うことが必要である。

 

(1)  イ「総収益」 ロ「純収益」      ハ「復帰価格」 ニ「支払時期」
(2)  イ「総収益」 ロ「純収益」      ハ「更地価格」 ニ「保有期間」
(3)  イ「純収益」 ロ「諸経費」      ハ「復帰価格」 ニ「保有期間」
(4)  イ「純収益」 ロ「総収益及び総費用」 ハ「売却価格」 ニ「発生時期」
(5)  イ「純収益」 ロ「総収益及び総費用」 ハ「復帰価格」 ニ「発生時期」

問題 21

〔問題21〕事業用不動産に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 事業用不動産には、ホテル等の宿泊施設のほか、ゴルフ場等のレジャー施設、病院、有料老人ホーム等の医療・福祉施設が含まれる。

 

ロ 賃貸以外の事業の用に供する不動産のことを事業用不動産といい、実際に賃貸借に供されている不動産は事業用不動産には該当しない。

 

ハ 対象不動産における事業収支に係る過年度実績値及び計画値が入手できる場合は、当該資料のみに依拠して、対象不動産の収益性を分析すれば足りる。

 

ニ シティホテルとビジネスホテルは、ホテル事業という事業の属性が同一の事業用不動産であることから、事業の特性や事業収支の内容が大きく異なることはない。

 

ホ 事業用不動産の運営事業者が通常よりも優れた能力を有することによって生じた超過収益の一部が、当該事業用不動産に帰属する場合がある。

 

(1)  イとロとハ
(2)  イとロとホ
(3)  ロとハとニ
(4)  ロとハとホ
(5)  ハとニとホ

問題 22

〔問題22〕還元利回り及び割引率に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 還元利回りは、将来の収益に影響を与える要因の変動予測は含むものの、予測に伴う不確実性は含まないものである。

 

ロ 還元利回りは、市場の実勢を反映した利回りとして求める必要があり、還元対象となる純収益の変動予測を含むものであることから、それらの予測を的確に行い、還元利回りに反映させる必要がある。

 

ハ 割引率を、金融資産の利回りに不動産の個別性を加味して求める方法において、希望する時期に必ずしも適切な買い手が見つかるとは限らないことは、割引率を高める要因となる。

 

ニ 還元利回りを、借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法は、不動産の取得に際し標準的な資金調達能力を有する需要者の資金調達の要素に着目した方法であり、借入金還元利回りに借入金割合を乗じたものから自己資金還元利回りに自己資金割合を乗じたものを控除して求めるものである。

 

ホ 還元利回りを、類似の不動産の取引事例との比較から求める方法においては、取引事例から得られる利回りが、償却前後のいずれの純収益に対応するものであるかに留意する必要がある。

 

(1)  イとハ
(2)  ロとホ
(3)  イとロとハ
(4)  ロとハとニ
(5)  ロとハとホ

問題 23

〔問題23〕下記の説明文は、不動産鑑定評価基準総論第7章第2節「賃料を求める鑑定評価の手法」における支払賃料の求め方に関する記述の一部である。次のイからハまでの空欄に入る語句として、正しいものの組合せはどれか。

 

・賃料の前払的性格を有する一時金の イ については、対象不動産の賃貸借等の持続する ロ 等に着目し、実態に応じて適切に求めるものとする。

 

・運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格、 ハ 並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利、国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。

 

(1)  イ「運用益及び償却額」 ロ「期間の効用の変化」       ハ「賃貸人の資産運用能力」
(2)  イ「運用益」      ロ「期間の効用の変化」       ハ「賃貸人の資産運用能力」
(3)  イ「運用益及び償却額」 ロ「期間における賃料増減の可能性」 ハ「賃貸借等の契約内容」
(4)  イ「運用益」      ロ「期間における賃料増減の可能性」 ハ「賃貸借等の契約内容」
(5)  イ「運用益及び償却額」 ロ「期間の効用の変化」       ハ「賃貸借等の契約内容」

問題 24

〔問題24〕賃料を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1)  新規賃料を求める場合の積算法における期待利回りと、価格を求める場合の収益還元法における還元利回りとは、対象不動産が同じであり、かつ、価格時点も同じであれば、必ず同率になる。

 

(2)  積算法の適用において基礎価格を求める場合には、対象不動産を賃貸した場合を想定した収益還元法は適用しない。

 

(3)  継続賃料を求める鑑定評価において、空室等による損失相当額は、必要諸経費等に含めない。

 

(4)  継続賃料を求める鑑定評価において、スライド法を適用するためには、基礎価格に乗じるべき継続賃料利回りを求めなければならない。

 

(5)  継続賃料を求める鑑定評価において、差額配分法を適用する際には、賃料差額(対象不動産の経済価値に即応した適正な実質賃料又は支払賃料と実際実質賃料又は実際支払賃料との差額)のうち賃貸人等に帰属する部分の判定は、鑑定評価の依頼者から聴取した賃貸借等の経緯説明や考え方に則って行わなければならない。

問題 25

〔問題25〕下記の説明文は、鑑定評価の手順に関する不動産鑑定評価基準の記述である。次のイからハまでの空欄に入る語句として、正しいものの組合せはどれか。

 

鑑定評価を行うためには、合理的かつ現実的な認識と判断に基づいた一定の秩序的な手順を必要とする。この手順は、一般的に鑑定評価の基本的事項の確定、依頼者、提出先等及び利害関係等の確認、処理計画の策定、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の イ の適用、試算価格又は試算賃料の ロ 、鑑定評価額の決定並びに ハ の作成の作業から成っており、不動産の鑑定評価に当たっては、これらを秩序的に実施すべきである。

 

(1)  イ「方式」 ロ「調整」  ハ「鑑定評価書」
(2)  イ「手法」 ロ「調整」  ハ「鑑定評価報告書」
(3)  イ「手法」 ロ「再吟味」 ハ「鑑定評価書」
(4)  イ「手法」 ロ「調整」  ハ「鑑定評価書」
(5)  イ「方式」 ロ「再吟味」 ハ「鑑定評価報告書」

問題 26

〔問題26〕鑑定評価報告書に記載する事項に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 鑑定評価書が依頼者以外の者へ提出される場合には、当該提出先と依頼者との人的関係及び取引関係の有無並びにその内容を明らかにしなければならない。

 

ロ 鑑定評価の依頼目的に対応した条件により、特定価格を求めた場合には文化財の指定の事実等を明らかにしなければならない。

 

ハ 地域分析及び個別分析に係る事項の1つとして、代替、競争等の関係にある不動産と比べた対象不動産の優劣及び競争力の程度について記載しなければならない。

 

ニ 対象不動産が地価公示法施行規則第1条第1項に規定する国土交通大臣が定める公示区域に存しており、土地の正常価格を求める場合には、公示価格との規準に関する事項を記載する。

 

ホ 対象不動産が郊外の戸建住宅及びその敷地である場合において、対象不動産の鑑定評価に当たり収益還元法の適用ができない場合には、その合理的な理由を記載する。

 

(1)  イとロとニ
(2)  イとハとニ
(3)  イとハとホ
(4)  ロとニとホ
(5)  ハとニとホ

問題 27

〔問題27〕下記の説明文は、不動産鑑定評価基準総論第9章「鑑定評価報告書」に関する記述である。次のイからハまでの空欄に入る語句として、正しいものの組合せはどれか。

 

・鑑定評価報告書は、鑑定評価の基本的事項及び鑑定評価額を表し、鑑定評価額を決定した理由を説明し、その不動産の鑑定評価に関与した イ の責任の所在を示すことを主旨とするものである。

 

・対象確定条件、依頼目的に応じ設定された地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件又は ロ 条件についてそれらの条件の内容及び評価における取扱いが妥当なものであると判断した根拠を明らかにするとともに、 ハ と認められるときは、当該条件が設定されない場合の価格等の参考事項を記載すべきである。

 

(1)  イ「不動産鑑定士」  ロ「一般的要因の把握」 ハ「算定可能である」
(2)  イ「不動産鑑定業者」 ロ「調査範囲等」    ハ「必要がある」
(3)  イ「不動産鑑定士」  ロ「調査範囲等」    ハ「必要がある」
(4)  イ「不動産鑑定業者」 ロ「一般的要因の把握」 ハ「必要がある」
(5)  イ「不動産鑑定士」  ロ「調査範囲等」    ハ「算定可能である」

問題 28

〔問題28〕鑑定評価報告書等へ記載、記録する年月日に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 継続賃料の鑑定評価においては、鑑定評価報告書に価格時点及び直近合意時点を記載しなければならない。

 

ロ 実地調査により確認した内容については、証券化対象不動産の鑑定評価を行う場合を除いて鑑定評価報告書に記載しなくてもよいが、実地調査を行った年月日は鑑定評価報告書に記載しなければならない。

 

ハ 鑑定評価を行った年月日は、必ず価格時点以降の年月日となり、鑑定評価報告書には当該年月日を記載しなければならない。

 

ニ 証券化対象不動産の鑑定評価において、エンジニアリング・レポートの内容を活用する場合に、当該レポートに関して鑑定評価報告書に記載しなければならない年月日は当該レポートの調査年月日、作成年月日及び入手年月日のみである。

 

ホ 処理計画の策定に当たっての確認において、鑑定評価を適切に行うための資料の提出等について依頼者と交渉を行った場合には、確認を行った年月日を記録し、当該記録を鑑定評価報告書の附属資料として添付しなければならない。

 

(1)  イとロとハ
(2)  イとロとニ
(3)  イとハとホ
(4)  ロとニとホ
(5) ハとニとホ

問題 29

〔問題29〕建付地の鑑定評価によって求める価格に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1)  土地及び建物は、法的にはそれぞれ独立の不動産として取り扱われるものの、機能的にはこの両者が結合した状態を所与として価格が形成されているので、鑑定評価上は、土地と建物の一体としての価格を、土地と建物とに振り分けることとしている。これが建付地につき部分鑑定評価を行うことの根拠となっている。

 

(2)  建付地についての鑑定評価報告書には、対象不動産である建付地に関するもののほか、少なくとも当該敷地上に存する建物等の構造、規模等及び建物賃貸借等の権利が存する場合にはその内容を記載するべきである。

 

(3)  敷地が最有効使用で、敷地上の建物が賃貸に供されている建付地については、更地の場合と比較し、建物建築に要する未収入期間がなく、賃貸収支の予測もしやすいこと等から、建付地の価格が更地価格を上回る場合がある。

 

(4)  建付地についての鑑定評価における控除法とは、まず建物の再調達原価を求め、これに減価修正を行って得られた建物の積算価格を、複合不動産価格から控除して、建付地の価格を求める方法である。

 

(5)  建付地の鑑定評価における土地残余法の適用に当たっては、建物等が古い場合には、複合不動産の生み出す純収益から土地に帰属する純収益が的確に求められないことが多いことに留意する必要がある。

問題 30

〔問題30〕借地権の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 借地権が成立しているか確認する場合、借地契約書を必ず入手しなければならない。

 

ロ 借地権の鑑定評価において、対象となる借地権には必ず経済価値が認められる。

 

ハ 借地の開始時期が昭和42年、期間50年、平成29年内において期間満了に伴う更新手続が行われる借地権の鑑定評価に当たっては、更新後には現行の借地借家法(以下この問において「法」という。)の適用を受けることに留意しなければならない。

 

ニ 借地権の鑑定評価に当たっては、借地権者が借地権設定者に差し入れる預り金的性格を有する一時金については、当該一時金を差し入れることによる運用益獲得機会の喪失相当額を査定し考慮する必要がある。

 

ホ 法第22条のいわゆる一般定期借地権は、存続期間を50年以上とすることを前提に、①契約の更新をしない、②建物の築造による存続期間の延長をしない、③法第13条の規定による建物の買取りの請求をしない、という特約を公正証書による等書面によって契約することにより成立する。

 

(1)  イとロ
(2)  ロとハ
(3)  ニとホ
(4)  イとロとハ
(5)  ハとニとホ

問題 31

〔問題31〕下記の説明文は、区分地上権に関する記述である。次のイからニまでの空欄に入る語句として、正しいものの組合せはどれか。

 

区分地上権の価格は、一般に区分地上権設定地の イ を基礎として、権利の設定範囲における権利利益の内容により定まる。区分地上権の イ は、区分地上権設定地全体の イ のうち、 ロ ・ ハ 空間の分割による当該権利の設定部分の イ 及び設定部分の ニ を保持するため他の空間部分の利用を制限することに相応するイを貨幣額で表示したものであり、所有権の部分価値として把握される。

 

また、区分地上権の設定による区分地上権設定地の所有者にとっての減価は、①区分地上権設定による設定部分の土地そのものの制約による減価、つまり、区分地上権に係る工作物保全のために必要な他の空間の使用制限に係る減価、②区分地上権の設定部分以外の部分の減価である。①の減価は、 ロ 分割により区分地上権設定部分に生じ、②の減価は区分地上権の設定によって、 ハ に不本意な分割がなされる場合に発生する。

 

(1)  イ「経済価値」 ロ「平面的」 ハ「立体的」 ニ「空間」
(2)  イ「収益価値」 ロ「平面的」 ハ「立体的」 ニ「効用」
(3)  イ「経済価値」 ロ「立体的」 ハ「平面的」 ニ「効用」
(4)  イ「収益価値」 ロ「立体的」 ハ「平面的」 ニ「空間」
(5)  イ「経済価値」 ロ「平面的」 ハ「立体的」 ニ「効用」

問題 32

〔問題32〕宅地見込地の鑑定評価について、不動産鑑定評価基準各論第1章に規定する「価格時点において、転換後・造成後の更地を想定し、その価格から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除し、その額を当該宅地見込地の熟成度に応じて適切に修正して得た価格」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1)  価格時点において、転換後・造成後の更地を想定した価格は、原則として、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法を適用して求める。

 

(2)  転換後・造成後の更地を想定した価格から、通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除する際には、これに加えて宅地開発業者の投下資本に対応する適正な利潤相当額等をも控除することが通例である。

 

(3)  「熟成度に応じて適切に修正する」とは、宅地見込地の存する地域が自然的、社会的、経済的及び行政的要因の影響により宅地地域化する期間及びその蓋然性に応じて修正することをいう。

 

(4)  公共施設及び公益的施設に関する地域要因の動向は、市町村等の地域開発計画等から把握することが可能であり、これを分析することにより、当該宅地見込地の存する地域の熟成度を判断する資料とすることができる。

 

(5)  付近における住宅、店舗、工場等の建設の動向を考察することによって、当該宅地見込地の存する地域が宅地地域に転換する時期及び転換後の当該地域内における最有効使用を判断することができる。

 

問題 33

〔問題33〕建物及びその敷地の鑑定評価に関する次のイからニまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 建物の用途を変更し、又は建物の構造等を改造して使用することが最有効使用と認められる場合における自用の建物及びその敷地の鑑定評価額は、用途変更等を行った後の経済価値の上昇の程度、必要とされる改造費等を考慮して決定するものとされている。

 

ロ 貸家及びその敷地の鑑定評価額の決定に当たっては、実際実質賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準とするものとされていることから、最有効使用の観点から、価格時点において建物の修繕等を行うことが客観的に妥当であり、かつ、これに伴う賃料値上げが可能であると認められる場合であっても、この修繕等に伴う増収及びこれに必要とされる費用を考慮すべきではない。

 

ハ 貸家及びその敷地について、当該建物及びその敷地の経済価値に即応する適正な賃料が徴収されている場合には、その価格は自用の建物及びその敷地の価格とおおむね等しくなるものと考えられる。

 

ニ 区分所有建物及びその敷地の共用部分について、一部の区分所有者のみに属する共用部分というものはない。

 

(1)  イとロ
(2)  イとハ
(3)  イとニ
(4)  ロとニ
(5)  ハとニ

問題 34

〔問題34〕次の記述のうち、貸家及びその敷地の鑑定評価を行うに当たって、総合的に勘案する事項として誤っているものはどれか。

 

(1)  将来における賃料の改定の実現性とその程度

 

(2)  将来見込まれる一時金の額及びこれに関する契約条件

 

(3)  契約締結の経緯、経過した借家期間及び残存期間並びに建物の残存耐用年数

 

(4)  借家の目的、契約の形式、登記の有無、転借か否かの別及び定期建物賃貸借(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借をいう。)か否かの別

 

(5)  借地権の取引慣行及び底地の取引利回り

 

問題 35

〔問題35〕次のイからホまでの記述のうち、継続中の宅地の実際支払賃料の鑑定評価を行う場合に、総合的に勘案する事項を踏まえて不動産鑑定士が行う調査等として正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 当該宅地の存する地域における土地価格の推移を把握するために、近隣地域に存する地価公示標準地の公示価格の推移を調べた。

 

ロ 当該宅地に係る固定資産税及び都市計画税の推移を把握するため、所有者にその推移が分かる資料の提示を求めた。

 

ハ 直近合意時点と同時期に開始された新規賃貸借契約における賃料を調べた。

 

ニ 近隣地域及び同一需給圏内の類似地域等内では宅地の賃料に関する資料が得られなかったので、同一需給圏内の代替競争不動産の賃料、その改定の程度及びそれらの推移を調べた。

 

ホ 賃料改定の経緯を把握するため、改定ごとの契約書の提示を受け、これらを確認した。

 

(1)  イとロとハ
(2)  ロとニとホ
(3)  イとロとハとニ
(4)  イとロとニとホ
(5)  すべて正しい

問題 36

〔問題36〕証券化対象不動産の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 東京証券取引所1部上場の総合不動産会社が取得予定である大規模オフィスビルは、すべて証券化対象不動産に該当するので、必ず不動産鑑定評価基準各論第3章を適用して鑑定評価を行う必要がある。

 

ロ ホテル等の事業経営の動向に強く影響を受ける事業用不動産における個別的要因の調査等に当たっては、20年間の固定賃料型の賃貸借契約が締結されている場合であっても、事業収支に関する資料の収集及び分析を行う必要がある。

 

ハ 新規の証券化対象不動産の取得時の鑑定評価における実地調査において、対象不動産の類型が更地や底地である場合や、対象確定条件として未竣工建物等鑑定評価を設定した場合であって、不動産鑑定士の単独調査により十分な調査を行うことが可能な場合には、必ずしも依頼者等による立会いを要しない。

 

ニ 依頼者から受領したエンジニアリング・レポートがドラフト(草案)版である場合は、鑑定評価を行った日の前までに最終版を取得し、その内容に応じた鑑定評価を行う必要がある。

 

ホ 対象不動産の竣工年からは旧耐震基準に準拠した建物であると思われるが、エンジニアリング・レポート(地震リスク評価報告書)に記載されているPML値(地震による損失リスクの大きさを示す値)は低位であり、当該調査範囲において地震リスクは軽微であると判断できる。この場合においては、耐震改修の実施状況や耐震診断結果の報告書の有無について、依頼者へのヒアリング等による追加調査を行う必要はない。

 

(1)  ロとハ
(2)  ロとホ
(3)  イとニとホ
(4)  イとハとホ
(5)  ロとハとニ

問題 37

〔問題37〕証券化対象不動産の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。

 

イ 依頼者と証券化関係者との利害関係として鑑定評価報告書に記載しなければならない事項は、資本関係又は取引関係の有無及びこれらの関係を有する場合にあっては、その内容のみである。

 

ロ 収益価格を求めるに当たっては、DCF法を適用しなければならないが、開発を前提に、更地等を証券化対象不動産とする開発型証券化の場合は、この限りでない。

 

ハ DCF法を適用して収益価格を求める際の収益費用項目には減価償却費が含まれる。

 

ニ 実地調査に関し、鑑定評価報告書に記載しなければならない事項の1つとして「立会人及び対象不動産の管理者の氏名及び職業」が挙げられる。

 

ホ 不動産特定共同事業法に規定する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引の目的である不動産は証券化対象不動産に該当する。

 

(1)  イとロとハ
(2)  イとハとニ
(3)  イとニとホ
(4)  ロとハとホ
(5)  ロとニとホ

問題 38

〔問題38〕証券化対象不動産の鑑定評価におけるDCF法の収益費用項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

(1) 大型の郊外商業施設や物流施設など賃貸借契約期間が長期に及ぶことが一般的である不動産の場合には、期間損益の概念上、テナント募集費用は当該契約期間に配賦されるのが適当であることから、運営費用には含めず運営純収益からの控除項目として純収益を算出することができる。

 

(2) 対象不動産が店舗やホテル等の場合には、賃貸借契約に歩合賃料が設定されることがあるが、一般的に歩合賃料の予測は不確実にならざるを得ないため、貸室賃料収入への計上は避けるべきである。

 

(3) 対象不動産が一棟貸しである場合の空室等損失は、依頼者、投資家等に対して十分なリスク開示を行う必要があるため、必ず、一定期間における入替えを考慮した年平均額として査定する。

 

(4) 固定資産税、都市計画税には各種軽減措置が講じられている場合があり、所有者の属性等が当該措置の適用要件となっていることもあることから、依頼者から入手した資料に記載されている税額をそのまま採用するのではなく、修正等を加えて計上する場合がある。

 

(5) 上場不動産投資法人による開示では、一般的には減価償却費が投資口の配当原資にはならない等の理由により、配当力を示す指標として償却後NOI(ネット・オペレーティング・インカム)に対する利回りが掲載されることがある。したがって、償却後NOIに対応する割引率及び還元利回りを用いることにより収益価格を算出することができる。

問題 39

〔問題39〕次の〔前提条件〕に従って、賃貸事例比較法において採用すべき比準賃料(1㎡当たり月額実質賃料で、10円未満は四捨五入)を計算した結果として正しいものはどれか。

 

〔前提条件〕

① 対象不動産は1棟の共同住宅内の3階に存する65㎡の居宅であり、価格時点は平成29年5月1日とする。

② 下表の事例は対象不動産と同一共同住宅内に存している。

③ 保証金は退去時に利息を付さずに返金されるが、権利金は返金されない。

④ 保証金及び権利金は、月額支払賃料に下表の月数を乗じて求めるものとする。

⑤ 近隣地域の平均的入居期間は5年である。

⑥ 近隣地域の賃料水準は、年間4%の上昇とする。

⑦ 運用利回りは2%とする。

⑧ 権利金の運用益及び償却額は年賦償還率を使用して求めるものとし、年2%の年賦償還率は以下のとおりとする。

1年1.020、2年0.5151、3年0.3468、4年0.2626、5年0.2122

 

月額支払賃料賃貸面積保証金権利金契約期間階層賃貸時点
130,000円65㎡なし1か月2年3階平成28年11月1日

 

(1)  2,000円/㎡
(2)  2,080円/㎡
(3)  2,120円/㎡
(4)  2,130円/㎡
(5)  2,170円/㎡

問題 40

〔問題40〕更地の試算価格を取引事例比較法により求める場合において、〔取引事例の内容〕、〔対象不動産の状況〕及び〔その他の条件〕が下記のとおりであるとき、この取引事例から求められる比準価格として正しいものはどれか。

 

〔 取 引 事 例 の 内 容 〕

取引価格48,000,000円(240,000円/㎡)
地積200㎡
個別的要因1.20(取引事例所在地域の標準的な土地よりも20%優る。)
事情補正補正不要である。
取引時点平成28年10月1日
地域要因1.05(取引事例は同一需給圏内の類似地域に所在し、当該類似地域は対象不動産の近隣地域よりも5%優る。)

〔 対 象 不 動 産 の 状 況 〕

地積250㎡
個別的要因0.90(対象不動産は、近隣地域における個別的要因が標 準的な土地よりも10%劣る。)

〔 そ の 他 〕

 

価格時点平成29年4月1日
地価の変動1.05(平成28年10月1日時点に比べて、平成29年4月1日時点の地価水準は、5%上昇している。)
要因比較方法地域要因及び個別的要因の比較は、それぞれの地域における個別的要因が標準的な土地を設定して行う。
計算方法比準価格は、㎡単価で求め、計算結果に当たっての有効数字は上位3桁とし、端数処理は四捨五入によるものとする。

 

(1)  163,000円/㎡
(2)  180,000円/㎡
(3)  198,000円/㎡
(4)  245,000円/㎡
(5)  290,000円/㎡

すべての答え

問題番号正解問題番号正解
問題 13問題 213
問題 23問題 225
問題 33問題 235
問題 42問題 242
問題 51問題 252
問題 65問題 265
問題 72問題 273
問題 82問題 282
問題 91問題 294
問題 102問題 303
問題 113問題 313
問題 122問題 321
問題 134問題 334
問題 145問題 345
問題 153問題 355
問題 162問題 365
問題 173問題 371
問題 181問題 384
問題 192問題 392
問題 205問題 402

 

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